端正な顔に浮かぶ冷酷な表情のなかに、口元だけが綻ぶ。 「……どういうことだ?」 最初に口を開いたのは、稜ちゃんだった。 リュークの発言と、ただならぬ雰囲気。 にわかに慶ちゃんに寄り添っていた瑠璃が体を離した。 「ここまで千夏ちゃんを拐ったのは、彼女だよ。 千夏ちゃんを眠らせて、椅子に拘束して座らせていた」 「ちーちゃんを……!?」 私はなんとなくバツが悪くて、視線を落とした。 ……どうして、リュークが真実を知っているのか。 それが何よりも疑問。