「頬から血を流してる千夏を見た時は、すごくびっくりしたわよ」 「……え?」 「ごめんね、千夏……。 あたしがくるのがもう少し早かったら、千夏が傷つくことなんてなかったのに……」 ……瑠璃は慶ちゃんの胸に寄りかかりながら、静かに涙を流した。 何度も何度も、「ごめんね」と呟く。 「……瑠璃は悪くないよ」 「そんなことない……! あたし、親友を傷つけたんだよ……」 「傷つけたのは、瑠璃じゃない」 「でも…、千夏にケガをさせたのは……あたしよ」