……何より、私はまだ信じきれていないのかもしれない。 瑠璃が裏切り者だということを。 慶ちゃんに近づくために、私の親友を装っていたこと…… まだ信じきれていないのかもしれない。 もし瑠璃が慶ちゃんにしか興味がないのなら、きっとここで肯定するはず。 瑠璃が私を拐った犯人と知れば、慶ちゃんは瑠璃に好意なんて抱かない。 そんなことは瑠璃も熟知している。 しかし、もし瑠璃が親友の私を助けた恩人だとすれば…… 単純な慶ちゃんのこと、瑠璃の好感度はうなぎ登りだろう。