「もしや、海野が何か……」 「ち、違う!」 なぜか、私は叫んでいた。 ここにいたのは、私と瑠璃だけ。 瑠璃を疑うのは当然だし、実際私を拐ったのも瑠璃だった。 だけど、これは私が望んでやってもらったこと。 「……瑠璃は違うの。 慶ちゃんたちがくる前に助けにきてくれたんだよ」 咄嗟についた嘘だった。 「……ほんと?」 由稀が疑わしげな視線を瑠璃に向けた。 …瑠璃が本当のことを言えば、バレてしまう。 だけど、それは本人に委ねようと思った。