その顔を見た瞬間、感覚的に思った。 ───…慶ちゃんたちだ。 きっと、瑠璃の好きな人は私の兄弟…… 慶ちゃんか、稜ちゃんか、由稀。 ……確証はないんだけど。 「予想がついちゃった? 顔に出てるわよ」 耳元で意地の悪い笑い声が混じった声で囁く。 背筋がぞっとした。 「そう、千夏の予想通り…… あたしたちの担任の、鮎川先生」 ……思考回路が凍りついた。 頭が真っ白。 瑠璃に裏切られたと分かったときでさえ、私は平常心をなんとか保てた。