…きっと、瑠璃は計算済みだ。 私がこういうバカにした態度に苛つくことも。 「あら、知らないのかしら? 黙り込んじゃって」 「……最近のは聞いたことない。 昔から目移り激しかったけど」 正直に答えた。 私は駆け引きみたいなのが苦手。 下手にハッタリをかけても当たるようには思えなかった。 「じゃあ、教えてあげる。 千夏の大親友の好きな人」 そう言って、すくっと立ち上がった。 私の前に立つと、一瞬また不敵な笑みを浮かべて私の耳元に顔を寄せた。