「……やっぱり、あたしは千夏が嫌い」 呟くように、でも私にはっきりそう聞こえるように、瑠璃は言った。 ───…「千夏が嫌い」。 小さい頃から、何度となく言われてきた。 「慶人くんはいつも妹ばっかり」。 「稜介先輩は千夏以外の女子とは口も聞かないの」。 「由稀くんはいつもお姉ちゃんばっかり構ってる」。 いつも、理由は兄弟のこと。 だから、別に私は悪くない。 …そう思って、自分の感情も誤魔化せた。