「…んっ……」 うっすらと目を開ける。 閉ざされていた光が目に入り込む…ことは、なかった。 おまけに、手足が縄で縛られている。 …ここはどこなのか。 きっと、私は何者かに連れ去られて、ここに運ばれたに違いない。 なにか、犯人に関してではなくとも、ここがどこなのか知れる手掛かりはないものか。 朧気な視界がやっとはっきりとしてきて、周りを見回す。 ……暗い。 光が全く入らない。 周りを見渡しても、見えるものが何一つない。