…そろそろヤバイかな。 稜ちゃんと腕を組んで、歩き出そうとした時だった。 「……あっ! 稜介が抜け駆けしてるーっ!!」 背後から聞こえたのは、由稀の声。 振り向くと、由稀が駆けてきた。 「あっ、コラ由稀くん!! まだ出番じゃないじゃないっ!!」 と、続いてさくら先生の怒った声も聞こえた。 「ちーちゃんは僕のなんだからねっ!」 稜ちゃんと絡ませた私の腕をとり、むぎゅっと私に抱きついた。 ムーッと頬を膨らませて、稜ちゃんを睨みつけている。