初めて着るのがこんな形で、だとは思わなかったけど。 ……ただ、人前に立つとなると別だ。 自己満足で済む話じゃない。 ───…そう思うと、どうも不安を隠せないのだ。 「大丈夫! ほら、自信持って!! そろそろ出番だから、出よっか」 「あ、はい……っ」 前を歩く先生を追いかけ、私はこの部屋を後にした。 この後、あんな事件が起こるなんて夢にも見ず───。