いれたてのコーヒーの入った、慶ちゃんお気に入りのコーヒーカップを彼の前に置く。 「ありがとう」 そう言いながら、コーヒーを啜った。 私も慶ちゃんの前に向かい合うようにして座り、他愛のない会話をしていた時だった。 「稜介のバカ───ッ!!!!!」 …2階から叫び声が聞こえた。 声からして、叫んだのは由稀だろう。 慶ちゃんと顔を見合わせる。 「元はと言えば、由稀があんなことするから……」