「あれ~? 千夏、いつにも増して早いね」 そうこう頭を悩ませているうちに、呑気にあくびをしながら起きてきたのは慶ちゃんだった。 「…コーヒー、淹れようか?」 「うん、お願い」 眠そうに目元を掻く姿は、由稀とよく似ている。 由稀もよく寝起きの時は「もう少し寝かせてよ~…」なんて言いながら、寝ぼけ眼でこんな仕草をする。 やっぱり兄弟なんだなぁ、なんて改めて思ったり。 「はい」