……この癖、直さなくては。 極度にイラッときたりしたらアッパーを無意識のうちに喰らわせてしまう癖があるのだ、私の右手は。 しかも、男子限定で。 …こんな私で恋愛というジャンルの小説の主人公なんかがこの先務まるのだろうか………。 「な、なかなか力あるんだね…。 いや、そんなことはいいんだけど。 話があるんだ、あなたたちに」 口や鼻の血を拭いながら、立ち上がった京束くんは真剣な表情で告げる。 ……その瞳は、私がこの間校舎裏で話をした京束くんと同じだった。