うむ………。 「…千夏か?」 「へっ!?」 悩んでいたところでいきなり名前を呼ばれて、また変な声。 振り返ると、胴着姿のままの稜ちゃんがいた。 「今終わったの?」 「あぁ。 他の部員はもう帰ったが、顧問と話し込んでしまい遅くなってしまった」 「そっか」 稜ちゃんの目線は京束くんへ移る。 「あっ、えっとね、京束くんは………」 「…2年の京束海翔と見受けたが、間違いないか」 説明しようとする私の言葉も途中で遮り、京束くんに声をかける稜ちゃん。