大したことでもないのかも。 「先生」 「鮎川どうした?」 「ちょっとトイレ行ってきてもいいですか?」 「ああ、構わんよ」 先生に断ってから、トイレへ駆け込んだ。 別にお腹が痛くなったから、とかそういうのじゃなくて。 個室の中で制服のブレザーの内ポケットから携帯を取り出して、慶ちゃんに電話をかけた。 由稀も授業中、稜ちゃんも授業中となれば電話に出てくれそうなのは慶ちゃんしかいない。 幸い、今の時間は職員室で作業してるはずだから。