鮎川稜介(アユカワリョウスケ)、3年の剣道部主将。 そしてまた、由稀と同じく学校の王子様のひとりなのだ。 ───…そして、私の兄でもある。 「今日早くない?」 「顧問の都合で早めの解散になった」 「そうなんだ」 寡黙な普段の姿と練習に打ち込む真剣な眼差しでは、大差のある稜ちゃん。 瑠璃曰く、“普段、寡黙でクールな稜介先輩の練習の時の凛々しい横顔に惚れない女子はいない”らしい。 「カレー食べる?」 「あぁ」