雫は、挙動不審なあたしに
堪え切れなくなったように、
クスクスと笑い出す。


そのままなんとなく、その
笑いが全員に派生しちゃって、
部屋の中は一気にほんわりと
した和やかな空気になった。


その空気に乗って、新条
さんがハリのある大きな声で、


「まぁ、何はともあれ
本当によかった!

今日は爽介と望月さんに
祝杯をあげないとな。

みんなで飲みに行くぞー!!」


「マジで!? ラッキー♪」


爽介が弾んだ声をあげて、
その場は一気に盛り上がって。


賑やかな声が飛び交う中で、
あたしは心から、幸せだな
って感じてた。


こんなあたたかな空気の
中にいられることが、
本当に……幸せで、嬉しい。


――ずっと、この空気の
中にいたい。


みんなの笑い声を聞きながら……
あたしはずっと、そんな
ことを考えてた。




――その後は、みんなで
お店の近くの居酒屋に
飲みに行って。


大人数でワイワイガヤガヤ、
賑やかな飲み会。


その途中で新条さんが、
『そうだ、社長に報告しないと』
って、携帯を持って席を外して。