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その後のあたしに残ってる
のは、強引で強気な言葉とは
ウラハラに、ガラス細工
みたいに、大切に大切に
扱われた記憶だけ。


ううん――違う。

ガラス細工よりも、もっと
もっと繊細で壊れやすい
ものみたいに。


そう――例えば、爽介が
いっぱい愛情を注いで、
細やかな手つきで作り上げる、
可憐で美しいスイーツ達。


それと同じくらいか――
もしかしたら、それよりも
もっと。


宝物みたいに大切に。

あたしは夢みたいな時間の
中で、爽介に愛された。



爽介が囁いたとおりに。


熱い爽介を感じるたびに、
自分の体に、あたしが爽介の
ものなんだっていう刻印が
刻まれてくような気がする。


それが――涙が出そうな
くらい、嬉しくて。


爽介が大好きだっていう
気持ちが、もっとさらに
大きくなって。


真っ白になっちゃいそうな
意識の中で――あたしは
何度も、『愛してる』って
囁いた。