でも、あたしが絶対引く
気がないのがようやく
わかったみたいで、


「―――勝手にしろ!」



とうとう、諦めた顔つきで
そう吐き捨てた。


――やった! あたしの勝ち♪


「うん、好きにするわ。

大丈夫、出しゃばって邪魔
したりは絶対しないから」


フフフッと勝ち誇った
笑いをもらすあたし。


「んなこたー心配して
ねーよ……」


爽介が、消え入りそうな
弱々しい声で何か言ったけど、
あまりに小さな呟きだったんで、
その声はあたしの耳には
届かなかった……。





     ☆☆☆☆☆


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