その言葉に、あたしは
照れて思わず少し笑った。


いい顔か――自分じゃ
そんなのわかんないけど。


もしそうだとしたら、それは
もちろんマッキーのおかげ
でもあるけど、でもきっと、
それだけじゃない。


何も言わずに、爽介を見た
あたしに。


爽介は、独り言かと思う
くらい流れるような声で、

『そーゆーお前となら、
やってみたいって思ったんだ』

と言った。



そして、あの、自信に
満ちた笑みを浮かべて。


「オレが、連れてってやるよ」


「え―――?」


「オレが連れてってやる。

お前が自分一人じゃたどり
着けなかった高みに」


「爽介? それって――」


鼓動が、早鐘のように打ち
出すのをハッキリと感じた。


魔法みたいな今の言葉が、
あたしに抑えようのない
高揚感をもたらす。


トクン、トクン。


まるで時間が止まった
みたいな――それでいて、
今この瞬間、ナニカが
動き出したような。