――――え?


「なにバカなこと
言ってんスか、新条さん」


爽介のツッコミで、あたしも
ワンテンポ遅れてその
意味を把握して。

とたん、カッと頬が熱く
なるのを感じる。


ホント、ナニ言ってんだか!


あたしと爽介でそんなこと、
あるわけないじゃん……!


「ってゆーか、お話って
そんなことなんですか!?」


「あぁ、ゴメンゴメン。

まあ、一応マネージャーと
してもひとこと言って
おかないとと思ってね」


……一応ね


お説教の前にオヤジギャグ
言ってるよーじゃ、迫力も
説得力もなさそうだけど。


なんかすっかり緊張感が
削がれたあたしに、新条
さんはゴホンとわざとらしい
咳ばらいをひとつしてから、


「お客様と接する中では、
ときに理不尽なことにも
我慢しなくてはいけない
ときがある。

まあ昨日の件は蓮がうまく
収めてくれたようだから、
キミもこれ以上気にしないで。

今後、気をつけてくれればいい」