誤解が解けたのかどうかは
知んないけど。

解けてたにしても、あたしも
強気で言い返したから、
きっともう嫌われてるん
だろうな。


まあ別に仕事に問題なければ
嫌われてたって構わないんで、
それで放置してた。


「あ、亜莉紗。

これもうすぐ仕上がるから、
誰かまわしてー」


ああ、そうそう。


こうやって爽介があたしの
ことを名前で呼ぶときには、
雫、体をピクッとさせて
ちょっと怖い表情になって
たりするんだよね


もぉ今さらって感じだから、
見て見ぬフリを決め
込んでるけど。


「了解ー」


短く答えてあたしは足早に
ホールに戻った。


あーいうときは厨房から
パントリーの方に連絡する
ベルがあるんだけど、
音させないにこしたことは
ないし、快く引き受けた
ってわけ。


手の空いてるコを見つけて、
お願いして。


マッキーのいるパントリーに
戻ろうかと思ったとき、
テイクアウトカウンターに
いるコから小声で声を
かけられた。