まあ、マッキーいわくそこが
最大の難関らしいんだけどね。

でも、もうそろそろそれも
トレーニングに入ろうって
言われてた。



5番テーブルを片付けて、
食器を乗せたトレイを
片手に裏に入る。


食器は厨房の出入口の隣に
あるカウンターに置いて、
3時まではパティシエが、
それ以降はホールから人を
まわして洗うことに
なってるんだ。


今の時間は2時半だから、
あたしは『お願いしまーす』
と声をかけて、カウンターに
食器を積んでく。


「ハイりょーかい~」


一番近くにいた爽介が、
せっせとセットメニューの
デコレーションをしながら
返事を返してくれる。


爽介とはなんかイロイロ
あったけど、おかげで
最初の頃ほど険悪な仲じゃ
なくなってた。


まあ、フツーに話をする程度?


相変わらずエラそうなヤツ
なんで、しゃべってて
シャクに障ることは
しょっちゅうだけどね。


雫は――例の一件以来、
あたしからは一線引いてる
って感じ。

仕事でもごく最低限のコミケ
しかとってこないし、それ
以上に関わってくることとか、
絶対にない。