そりゃまあ、休憩はまだ
10分ちょい残ってるけど……。


『ちょっと亜莉紗、なんか
裏の人怒らせるようなこと
したのぉ?』


雫のフンイキを咲希も感じ
取ったのか、本人には
聞こえないように小声で
あたしに耳打ちしてくる。


『知らないわよ。

何かした覚えもないし』


同じく耳打ちで返して、
あたしはちょっと考えた。


別に断ってもいいけど、
用件がなんなのかはぶっちゃけ
気になる。


「わかったわ。ここでいいの?」


決心してそう答えると、
咲希には『ゴメン先に
行ってて』と目で合図する。


咲希は心配そうな顔を
しながらも、『わかった』
と頷いてロッカールームに
入ってった。


咲希の足音が小さくなったのを
聞き届けてから、雫は、


「ここじゃちょっと。

ついて来てくれる?」


そのまま廊下に出ると、
スタスタ歩いて通用口から
外に出ちゃう。


オイオイどこ行くのよ? 
って思いながらもついてったら、
駐車場の奥まった所にある
ゴミ捨て場まで連れて行かれた。