ヨシコは泣きながら喋るあたしの話を黙って聞いていた。


「・・・うらら、何も検討つかない?」

話し終わってヨシコが聞いてくる。
あたしは首をブンブン振って「わかんない」と言った。



「あんたのクラスって何か特異なんだよね」

「え?」

ヨシコの言葉の意味があまりよくわかんない。



「いい風に言えばマジメちゃんクラス?でも、何か、あたしは好きになれない」

「そう?」


そういえば、ヨシコは若葉と仲がいいはず。
若葉からクラスの話聞いてるのかな?


「嫌な雰囲気。あんたのクラスだけ。独特な空気」


ヨシコはそばの窓を全開に開けた。
風が一気に入ってくる。


「若葉が何か言ってたの?」

あたしが聞くとちょっと笑った。

「まぁ、多少は。何て言えばいいのかな?抜け駆けは絶対許せない。許さない。そんな感じ?みんなが足並み揃えてないとクラスが壊れる」


あたしの涙はもう止まっていた。


あたしもヨシコと並んで窓に寄りかかる。


「うらら、あんたがヒロと仲良くしたりヤスの事好きだったりするのは足並みを狂わせる事なんじゃない?」

「・・・別に、それが何の関係が・・・」

「あるんだよ。きっと」

ヨシコが言う事ってわからない。


ヒロと仲がいいのは悪い事?


ヨシコはただ優しくあたしを見て「負けないで。折れないで」と言った。