ひと夏の経験








「奈々香はどうなの?俺のどこを好きになった?」




「全部かな」



「なんだよ、全部って」




「全部好き」




「ありがとな、好きになってくれて」



急に一輝がこんな事言うから、顔が熱くなった。




「奈々香今照れただろ?」





「照れてないもん!!」




と背中を一輝に向けた。




「照れてるくせに…」




と後ろから小さな声がした。