ひと夏の経験









コンコン!!




「ん?」





「片づいた~?私完璧だよ」




「まぢかよ!俺まだまだ」



確かにまだまだ。
逆に散らかっている。





「手伝おうか?」



「うん、頼む」






散らかっているものを箱に詰め込んだ。




「お~!!」





嘘のように片づいた。




「サンキューな、奈々香」





「うん」




明日は引っ越し。
一輝の一緒なのは良かったけど
挨拶もできないで愛菜とさよならするなんて。




考えてもいなかった。