私立!皇奏大学探偵サークル事件簿2―君の呼ぶ声―

<side 伶>


まさか。いや。でも。



さっきから否定の接続詞しか出てこない。



俺は神野が見せて来た写真をもう一度見た。



制服を来た男がちょっと驚いた感じで写っている。

そしてそのすぐ後ろ。


後ろというより、写真の人物からしたら前か。


そこには、『クリアトレード』の社名がでかでかと書かれた軽自動車。


そしてその車の中。


少し暗いがわかる。



行方不明になっている、薬売買の仲介人沖田 駿。


写真は皆川さんに見せてもらったからわかる。


となると、沖田 駿は3年前から仲介人をやっていたわけだ。


なるほど。


これでクリアトレードと薬がつながった訳だ。



と、俺は帰りの車の中で考えていた。



神野はまた寝ている。


寝過ぎは寿命に関わるからよくはないのに。


起こしてやろうか。


でも、気持ちよさそうにこちらに寄り掛かっている。


いや、このままにしておこう起きたらうるさいし。