私立!皇奏大学探偵サークル事件簿2―君の呼ぶ声―




ガチャリとドアを開けて入って来たのはやっぱり伶だった。



ありとあらゆるアルバムを広げている私に訝しげな顔をして口を開いた。



「君、いつから片付けのできない人間になったんだ?」




そんな伶に私は冷静に切り返す。




「和人の顔、伶あんまり知らないでしょ。だから写真捜してたの。ほら、これ。」




と、先ほど見つけた写真を差し出す。


すると伶はその写真を見て驚いたような顔をした。




「ど、どうしたの。」


「これ、東京湾か?」


「あ、うんそう。校外学習でね、貿易企業の見学したのその時の写真ね。」


「その企業の名前は?」

「んーと、確か…えーと…く…なんとか。クール?じゃなくて、んっと、クリスタルじゃなくって…」


「クリアトレード?」


「あ、そんなかんじの名前!」




そう確かそこは本当にいろんな国から輸入とか輸出したりとかしている。らしい。



なにせ3年ほど前の話だし。



あやふやだ。



しばらくじっと写真を眺めていた伶だったが無言でスッと立ち上がり、




「東京に戻るぞ。」



と一言だけ言って部屋を去っていった。




え。こっちの予定は無視なの!?



そうなの!?