私立!皇奏大学探偵サークル事件簿2―君の呼ぶ声―





「和人とのきっかけなんてないよ。あえて言うなら、会ったことがきっかけかな。」




私は慎重に言葉を選びながら答えていく。


伶に、すべてを見透かされないように。




「和人は私と同じだった。だから惹かれたのかもね。」




目を逸らしてそう言う私を、伶は黙ってじっと見ている。




「和人はクラスの中でもちょっと浮いていた。私と同じでも、和人は私のようにみせかけの親切で隠そうだなんてしていなかった。」




必要外のことは話さない。


友達も極端に少ない。


笑わない。


自嘲気味の笑み。




「で、ある日突然提案されたの。付き合わないかってね。」




まぁいっか。そんな気持ちで和人と付き合って、でも、まったく彼を気にしていなかったと言えば嘘になる。



私も、きっと、たぶん…



「そうか。随分な始まりだな。」


「そうだね。自分でもどうよって思う。でも後悔はしてないかな。」




そう私が言うと、伶は不機嫌そうにそっぽをむいた。



まったく、普段は偉そうなのに、たまに子供のようになるのだから。