「じゃあ、別れた原因って…」
「さぁ?家の事かもしれないし、そうでないかもしれない。そこまで皆川さんに調べてもらってないしな。」
って、皆川刑事に調べてもらったの!?
まるでパシリだ。
まぁ伶は人を使うのには慣れている。
皆川さんはよくよくそれを承知していて動いているんだろうけれども。
「珀泉 和人は次男だが兄が行方不明になっている。跡継ぎは彼だな。皆川さんにしたらきっちり調べてある。」
そう伶は言いながら私と目を合わせた。
伶の、黒い瞳が私を捕える。
「珀泉 和人と付き合ったきっかけは?」
そんなことを聞いて来る。
私が答えるとでも?
否、結局私は答えてしまうんだろう。
彼は、伶は生まれながらにして支配者だ。
逆らえない。
逃げられはしない。


