私立!皇奏大学探偵サークル事件簿2―君の呼ぶ声―




伶、あなたは、私を狂わせてる。



長年決めて、守ってきたルールをことごとく破らせてるのよ。



意味、わかる?




「それでも俺は、神野を知りたいと思う。」


「…!?」




びっくりした。



伶はいつの間にか私のすぐ後ろにいて、身元でそう囁いた。




「君が、決めているルールだろうがなんだろうが、俺は容赦はしない。知りたいものは知る。


俺は君のテリトリーに踏み入る。」




伶はそれだけ言うと、私を追い越して下に降りていった。



私は呆然とそれを眺める。



テリトリーに踏み入る?

私の?


ルールは関係ない?



…まったく、呆れた人だ。



私はとっくに、伶に踏み入らせているというのに、伶はこれ以上を望むらしい。




「まいったなぁ…」




私は誰もいなくなった階段で、そうつぶやいた。