<side深青>



死体が見つかった。



和人の家の、冷蔵庫から。



女の人の、死体が。




彼女の身元を示す一切のものはなくて、とりあえず今は警察が来るのを待っている状態だ。



大家さんを呼んで、事情を説明するのに伶が苦労しているのを見てちょっとおかしかったけど。



今、その伶は高校時代の卒業アルバムを見ている。



私はなんとなく居心地が悪くて、気を紛らわすために伶と一緒に卒業アルバムを見ていた。




今見ているのはクラス写真だ。


定番の証明写真の下に名前が印刷してあるあれだ。



一人一人の顔を思い出しながら名前を見ていく…




「あれ。美鶴ちゃんって…こんなだったっけ…」




ちょうど私の所属していたクラスのページにあった「蛎崎 美鶴」の名前。



伶はやっぱりな。と溜め息をついた。




「君、蛎崎 美鶴を誰と間違えたんだ?」







卒業アルバムに載っている彼女の写真には、私が会った蛎崎 美鶴とはまったく違う顔が写っていた。