真っ暗だ。



明かりがない。


いや、キャンプでよく使っているランプの明かりしかない。



オレは隣の彼女を見た。

怯えた目をしながらも、彼女は真っ直ぐにオレを見た。



ごめん。



そうとしか言えない。



恋人って言っても形だけで、なんにもしてやれなかったのに、こんなことに巻き込んだ。



ごめんとしか言えない。


もし、叶うのなら、彼女だけでも解放してほしい。



彼女はなにも知らないから。



オレがそう考えていたとき、ガチャリと重そうな扉が開いて、誰かがこちら側に、かなり荒っぽく放り投げられた。



オレは慎重に、縛られている足を使ってランプをそちら側に向ける。




「……!!!」




そこにいたのは、一組の男女だった―…………