何がおかしいのか皆川さんはニマニマと気持ち悪い笑みを浮かべている。

竜はなぜか青い顔。




「…なんですか。そのしまりの無い顔は。」


「万年仏頂面なお前には言われたくねぇな。」


「万年怠惰で生きている燃費の悪い猪よりはマシですよ。」


「うるせぇ。随分と面倒見が良くなったなと思っただけだ。」




む。


別に好きで世話焼いてるわけでは無い。


確かに俺は神野に甘いが。




「伶、そ、その…」




と声をかけられて初めて気付いた。


竜がいたんだ。



竜が神野へ好意を寄せているのは重々承知。


というかなぜ神野が気付かないのか不思議だ。



竜は顔は一族の血を引いているだけあってキレイだが、幾分気が弱い。



事件に関しても視点も論点も正確に突いているのに自信が無いからと言い出さないのだ。



そして俺がかりだされるわけだ。