――…のさん? ―――…りのさん! ――――…栗野さん! 「んっ……」 誰かが私を呼ぶ声で目が覚めた。 「栗野さん、大丈夫? もう体は大丈夫なの?」 保健医の幸村(ユキムラ)先生が私に問いかけてきた。 「はい…だいぶ良くなりました」 嘘。よくなんてなってない 頭はさっき見たいにガンガンするし、吐き気もしてきた。 「……今何時間目ですか?」 窓の外をチラッと見ると、かすかに夕日の光が保健室を照らしていた