楽しげなその様子を、グラウンドで部活をする剣は面白くない顔で見ていた。

(なんだよ、奏美のやつ!楽しそうにしやがって!)

力んで蹴飛ばしたサッカーボールは、あらぬ方向へ飛んで行ってしまい、剣は先輩たちから怒られてしまった。

「こらっ!中津川!気合い入れ直して走ってこい!」

「はいっ!!」

半ばやけくそ気味に返事をすると、剣はさっきの光景を振り切るようにして走り出した。