Morning moon

広間に入る扉の前でサランと合流した。

「奏美、とっても綺麗だよ。」

「ありがとう、サラン。」

小人のファンファーレが始まった。

奏美はサランの腕を取り、並んで入場した。

ロランやミリーの時よりも、盛大な式だ。
まだみんな王子の結婚式だと思っている。

「王子!おめでとうございます!」

あちこちから歓声があがっている。
それを聞きながら、奏美は少し心が痛んだ。

「奏美、そんな顔しないで。」

サランに言われ、気持ちを切り替えた。

王と王妃の前に行き、杖の儀式を行った。

この日のために、リチャードが用意してくれた王室用の杖。

それらを1本にし、無事儀式は終わった。