Morning moon

「あのね、私人間界では大学というところに通っているのね。
そこで魔法界の薬草学に似たことを勉強しているの。」

「へー薬草研究？」

「それだけじゃないんだけどね、他にも薬を合成したり、とにかくそういう感じのことを勉強するの。
そこで、前に話したっけ？先輩のこと。」

「えっと…名前忘れちゃったけど、なんとかラン先輩でしょ？」

「そうそう沙欄先輩。その先輩も同じ学部にいるんだけど…。」

「いるんだけど…？」

「なんか良く分からないの、私。」

奏美は、先輩の思わせぶりな行動をアンに全て報告した。

時折魔法玉でやり取りしていたので、アンも片鱗だけは知っていたけれど、こんな風に並べられると、その思わせぶりな行動に軽くイラっとしてきた。

「そのラン先輩って、Ｓなのかしら？」

「はぁ～！？」