ウメコの講義は、マスターらしく大講堂で行われていた。

大きな講堂でありながら、どの席に座ってもウメコの声がきちんと聞こえ、姿が目の前にあるように見える。

そんな魔法がかけられていた。

人間界ならば、後ろの方だとゆっくりサボれるが、そうはいかない。

もしそんなことをしていたら、ここでは取り残されてしまうのだ。

マスターになると、ある程度教科を絞って勉強できる。
奏美は迷わず薬草学を選んだ。

薬草学初級の免許は取得していた。

これから高度な勉強をするために、奏美はもっとクラスが上の免許を取得する計画を立てていた。

免許さえあれば、森で薬草を採取できる上に栽培も可能になる。

本来は栽培研究はドクターになってからするものだが、奏美はチャレンジしたかった。

少しでも早くおばあちゃんのようになりたい。

分野は違えど、たくさんの人の役に立ちたい。

そう願ってやまないのだった。