ティーカップを持ったまま、呆然としていると先輩の声が耳に入ってきた。

「きっと受験が終わってほっとしたんだろう。ゆっくり休むといいよ。まだ先は長いからね。」

「はい…。」

納得いかないけど、おとなしくしておいた。

「じゃ僕はこれで。」

沙欄先輩が立ちあがった。

「あの…ありがとうございました。」

奏美は身体を起こしてお礼を言った。

「もう少し休んだ方がいい。」

起き上ろうとした奏美を先輩が制した。

「私が玄関まで送ってくるから奏美は寝ていなさい。」

「はい。」

先輩とおばあちゃんは部屋から出て行った。