目覚めると、見覚えのある天井。

奏美は自宅のベッドで寝ていた。

状況を飲み込めない。

ふと視線を感じて横を見ると、沙欄先輩が椅子に座っていた。

「大丈夫?相葉さん?」

「え…?先輩?私、なんで…。」

そこへおばあちゃんが上がってきた。

「ああ、奏美気がついたかい?」

「おばあちゃん、私どうしたの?」

おばあちゃんはトレイにハニーティーを入れて持って来ていた。

「とりあえず一口お飲み。」

「うん。」

おばあちゃんは、先輩の前にもティーカップを置いた。

「ありがとうございます。いただきます。」

先輩がカップを持ち上げて口をつけた。

「あ!」

奏美は思いだした。以前理華が倒れた時のことを。

この蜜は、魔法使いには無害だけど人間には…。