意味ありげにウインクする理華に、ちょっとだけ笑顔を見せて、奏美は一人で店を出た。
お店を出てから、先輩にメールを返す。
『ありがとうございます。先輩のおかげです!私は今、学校のそばのファミレスの近くにいます。先輩はどこにいますか?』
すぐさま携帯が鳴った。
「相葉さん?大学の門のところまで来られる?」
「はい、大丈夫です。もう見えるところまで歩いてきてますから。」
「大丈夫だよ。慌てなくていいから。」
「ありがとうございます。でも先輩待たせたら悪いので、ダッシュで行きます!」
「あはは、気をつけておいで。」
「はい!」
電話を切ると、奏美はダッシュした。
横断歩道じゃないところを横切ろうとした時、死角になっていた場所からバイクが飛び出してきた。
奏美の意識はそこで途切れた。
