奏美はそんな二人を見て嬉しく思う。

それと同時に、自分の幸せはどこにあるのだろう?と考えることも増えた。

そんな時思い出すのは、沙欄先輩のこと。


奏美も先輩から直々に勉強を見てもらうことが増えていた。

高校の図書館まで、先輩に出張してもらったり、大学の学食だったり、おかげでシフォンケーキのレパートリーは入学前に全部制覇してしまった。

先輩は、自分の体験から受験だけの勉強でなく、入ってから困らないようにフォローしてくれていた。

その心遣いが胸に沁みる。