「奏美…手伝ってあげるからそんなに落ち込まないでよ。」

「うん…。」

ゼリーはベタベタしそうという浅はかな印象だけでクッキーと言った自分を呪った。

「どんなクッキーにする?」

「そうだなぁ…。ココア生地とプレーン生地の2種類がいいかな。」

「それなら型抜きするだけじゃなくて、色々作れそうだよね。」

「頭の中に理想のクッキー像はあるけど、実際にやるとなるとさ、なかなか難しいんだよね。」

「だからちゃんと手伝ってあげるから心配しないで。」

「じゃあさ!次の週末うちでやろうよ!私がゼリーやるから理華がクッキー作ってよー。それで逆にして持って行こう!うん、我ながらナイスアイデア!」

「だーめっ!両方一緒に作るの。わかった?」

「はーい。」

せっかくのナイスアイデアも理華の一言で砕け散った。