奏美は、魔法界へいつもおばあちゃんの部屋から行き来していた。

おばあちゃんの部屋のクローゼットの奥に隠し扉があって、そこから行けるようになっている。

通学の時間がかからないのが、たまらなく嬉しかった。

Door to Doorじゃないけれど、森を散策しながら行けるので苦にならない。

案外通学時間っていうのは、一日の中で大きな割合を占める。

バス通学なら、待ち時間もかかるし。

だけど、扉を開けた向こう側は、魔法界でのおばあちゃんの家。

ウッドスタイルで、暖炉がある、森の中にピッタリなお家だ。

覚醒してから初めて連れてきてらった時は、もう興奮して大騒ぎした。

ロフトの部分には天窓があり、ここから星空を見たらキレイだろうなって想像を掻き立てられる。