夏の事件で、先輩から剣が自分のことを好きかもしれないよと聞かされてはいたけれど、どこか他人事だった。

それが今目の前で本人の口から語られ、事実となってしまった。

奏美は沙欄先輩が好きだ。

そして親友の理華は剣が好き。

漫画のストーリーみたいな展開が、実際自分に起こるなんて想像もしていなかった。

おばあちゃんから、人間界での異変は、海の祠の欠損で、それは精霊の仕業だと聞いていた。

その祠はもう修復され、異変は起こらないって聞いてたのに、これが一番の異変だと奏美は思った。