Morning moon

(どうしよう…どうしよう…とりあえず止まれ!)

全ての動きが止まれば、その隙に理華を…

強い思いが伝わったのか、触手の動きが止まった。

今だ!

奏美は理華の身体を取り戻した。

そしてそのまま止まった波の上を走りだす。

いくら華奢な理華でも、抱えて走るなんて同じような体格の奏美には無理なはず。

なのに、軽い。

理華を抱えているとは思えないほど重さを感じない

自分の足も羽が生えたみたいに軽やかに動く。

全てのものが止まっていた。

人も波も風も…