Morning moon

理華は中学時代卓球部に入っていた。
実は都大会にも出たことのある実力の持ち主。

高校から一緒になった剣は、そのことを全く知らなかったのだから、かわいそうと言えばかわいそうだ。

「剣ちゃん大丈夫かな…私、負けた方が良かったかのかも…。」

「それは違うよ。あいつあれでもスポーツマンだからさ、わざと負けられたなんてわかったら、逆上するよきっと。」

「そうだよね。やっぱり剣ちゃんって男らしいよね。」

「うわっ…恋は盲目。」

「やだー恥ずかしいこと言わないでよ。」

理華は背中を向けてしまった。