あの男ーーーー!


叫びたいのをおさえ、様子を伺う。

なんだなんだ?
夕菜ちゃんの方も、なんだか楽しそうに見える。
俺には最近全く見せてくれない笑顔をその男に向けていた。

嫉妬心が一気にわきあがる。

「あっ」

夕菜ちゃんと、あの男が二人並んで歩いていく。

そのあとを、俺はこそこそと追う。

あー!何話してるのか聞き取れないっ!
でも、すごく楽しそうなのは分かる!

ついていくと、男と夕菜ちゃんは、その男がとめてある原付バイクのとこまで歩いているのが分かった。自転車とか、原付バイクがずらりと並んでいた。

まさか2人乗りするつもりか?
原付なのに?

すると、男はバイクにまたがった。夕菜ちゃんは乗る気はないらしい。

ってことは、その男を見送りにわざわざ?

腕がわなわな震えてきた。
怒りで。

ニート男から聞いた情報は間違いなかったらしい。